詐欺の電話が祖父母宅にかかってきた話

by Brandy

 3日ほど前のこと、祖父母宅の固定電話に電話がかかってきました。
男の声で、「健康福祉課の伊藤です。後期高齢者の保険料の制度が変わりました。4月頃に書類で連絡をしていると思いますけど、保険料が下がって、返還金が4万数千円ほどあります。まだ申請されていませんので、お知らせしました」と言われたそうです。

 祖父は、特に疑うことなく「書類が来ていたんですね!忘れていました!」と言いました。
すると、伊藤と名乗る男は、「銀行へ私の方から言っておきますから、銀行の名前と口座番号を教えてください。特にあなたはそれ以上のことはしていただかなくて結構です。後ほど銀行から連絡がいきます」と口座の情報について教えるように言ってきたのです。

 祖父は通帳を持ってきて、口座番号を言おうと思ったそうですが、その時に祖母が「ちょっとおかしい」と言い、祖父自身もおかしいと感じていたので、「追って口座番号をお知らせしますから、あなたの電話番号を教えてください」と言い、電話を切ることが出来る方向に持って行こうとしました。そうしたら伊藤は電話番号を教えてくれたそうです。「しばらくしたら私の方から連絡します」と祖父は言い、電話を切りました。

 次に、祖父は伊藤という男が本当に健康福祉科にいるのか確かめるため、伊藤に教えてもらった電話番号ではなく、吹田市役所の代表番号に電話をし、「健康福祉課の伊藤さんを呼んでください」と言いました。そうすると、「健康福祉課という課はありません」と言われ、保険関係の課の人につないでもらうことが出来たので、詳しく話を聞いたそうです。そうすると、「制度の変更はなく、保険料の還付をするということもありません」とのことで、それに加えて、「吹田の保険関係の課には伊藤という男性はおりません」という話だった。

 ここで詐欺まがいのことだと分かり、「そういう問い合わせはよくありますか」と聞くと、市役所側からは「時々あるようです」との返事が。間違いなく詐欺まがいの話だと理解し、警察に連絡をしておくことにしたそうです。
祖父は、市役所の人に吹田警察署の電話番号を教えてもらい、吹田警察署に電話しました。そこで一連の話を報告すると、警察の人も「間違いなく詐欺でしょうね、取り合わないでください」と言い、「何か更に言ってくるようだったらまた連絡してください。念のため、住所と名前を教えてください」と言われたので、その二つを教えたそうです。それ以降は伊藤から何の連絡もないとのこと。

 これらのやりとりがあったあと、近所の人に聞くと、似たようなことがあって口座番号まで教えた人もいたが、気がついて慌てて銀行で口座番号の変更の手続きをしたという話もあったそうです。

テレビなどの報道番組でも詐欺の電話の話題はよく見聞きしますが、実際に身近で詐欺未遂が起こったのは初めて。祖母によると、祖父は警察に電話した際「ようやくうちにも来たか」と言ったそうな。ですが、世の中の高齢者世帯には、「保険料の制度が変わった、書類で連絡をすでにしている」などとありそうなことを言われると、その話を信じて口座番号を教えてしまうする人もいます。「自分のところにはそんな電話はかかってこない」と思ってしまうのではなく、少しでも怪しいと感じたら、祖父母のように市役所に電話してみるなど公式の機関にコンタクトを取りそういった事実があるかどうか確かめるようにするのが、悪質な詐欺に引っかからないために必要なことなのだと思います。