稀勢の里の横綱昇進が決定

横綱審議委員会が初場所優勝の大関稀勢の里を横綱に推薦すると決定した。このあと1月25日に日本相撲協会が春場所の番付編成会議と臨時理事会を開き、そこで稀勢の里の横綱昇進が正式決定という流れ。

横綱誕生は鶴竜以来3年ぶり。日本出身の横綱は若乃花以来19年ぶり。

稀勢の里、愛称キセノンといえば「ここイチでの『優勝力』のなさ」があって、2016年は休場せず年間最多勝を獲得するも優勝はなし。「優勝力のなさ」でよく知られているエピソードが2012年5月場所。11日目まで10勝1敗でトップを走っていたが12日目の栃煌山戦、13日目の白鵬戦で連敗して千秋楽を11勝3敗で迎え、最後は把瑠都に負けて11勝4敗となり優勝決定戦すらも逃している。

かといって、年間最多勝が示すように決して弱い力士ではなく、2011年初場所以降で負け越しは2014年初場所の7勝8敗のみ。大関に昇進した2012年初場所以降の成績は
・2012年:61勝29敗(勝率.678)
・2013年:68勝22敗(勝率.756)
・2014年:58勝32敗(勝率.644)
・2015年:62勝28敗(勝率.689)
・2016年:69勝21敗(勝率.767)
と、好成績を続けている。何より、体が強くて休みがほぼゼロ、唯一欠場したのは2014年初場所千秋楽の琴奨菊戦、つまり近年最後の負け越しは不戦敗によるもので、出ていたらどうなっていたかはわからなかった。

大関としての成績も極めて良好。近年の横綱・大関の大関時代の成績を勝率順に挙げると、
白鵬:73勝17敗15休(.811)
稀勢の里:332勝133敗(.714)
日馬富士(安馬):214勝105敗11休(.671)
鶴竜:119勝61敗(.661)
琴奨菊:251勝182敗32休(.580)
豪栄道:117勝92敗1休(.560)
照の富士:69勝72敗9休(.496)
となって、さすがの白鵬には及ばないものの、現横綱のうち2人よりは良い成績を残している。

千秋楽の取り組みを前に横綱昇進が確定的という報道が出たときには「そこまでして日本人横綱を作りたいか」とも思ったが、結の一番で白鵬の突進をしっかりと受け止めた上で倒した姿を見ては、期待せざるを得ない。それだけ白鵬が衰えたともいえるが、なればこそ、今求められるのはキセノンなの鴨。

from 稀勢の里を横綱に推薦決定 横綱審議委 19年ぶり日本出身横綱 | NHKニュース