みんな「けものフレンズ」を見ているフレンズなんだね!すごーい!えらいねー!
とんでもないことになっている。「けものフレンズ」の破壊力が高すぎる。確実に「やられる」。そういうアニメだ。
現在放送中の「けものフレンズ」は、女性キャストが多くて、キャラクターは動物モチーフの女の子がほとんどで、世界を救うほどの大仰なストーリーはくっついていない、昨今ではそれほど珍しくないアニメである。敵は出てくるけれど、分類するなら「ロードムービー」だ。
メディアミックス企画なので、ゲームやマンガの展開もあるのだが、おそらくその中でも軸であったと思われるスマートフォン向けゲームは開始1周年で完全無料化、2年目を迎えることなく2016年12月14日に終了している。あと一ヶ月半持ちこたえてくれればアニメが謎のブレイクを果たしていたのにと思うと残念でならない……そこまでに完全無料化しているから、リブートするのが正解かもしれないが。
ともかく、テレビアニメも、始まったときにはゲームと同じように埋もれてしまうのではないかと思ったし、実際、見た時点では個人的にはそれほど心に刺さるものはなかった。本スレでも声優のファンはいてもアニメを高く評価する声はそれほど大きくなかった。「リルリルフェアリル~妖精のドア~」や「かみさまみならい ヒミツのここたま」と同様の癒やしを感じた人がいたのは事実だが、そもそもスレッド速度も速くなく、1スレ目は「2017/01/09(月) 13:53:57.14」に立って「2017/01/18(水) 02:20:25.22」で落ちている。[→けものフレンズ1匹目 [無断転載禁止]©2ch.net]
しかし、けもフレはじわじわと視聴者の体を蝕んでいく。Q&Aが追加された2スレ目は「2017/01/17(火) 17:47:01.75」~「2017/01/22(日) 00:10:50.98」、3スレ目は「2017/01/21(土) 19:02:33.75」~「2017/01/25(水) 12:02:31.03」。だんだんと人が脱落していくのではなく、むしろ増えていく。
4スレ目の894では、スレ内で初めて「すごーい!」という表現が出てくる。このあとは便利に使われる言葉だが、意外にも思える遅さである。
現在、放送は第5話までが終了している。すでにSNSなどでその威力を味わっている人はいるはずだし、それこそ、制作した監督自身が驚いているのが現状だ。
えっ、けものフレンズ、今なにか起きてるんですか?流行ってる??
ここ500日ぐらいアニメ作ってるだけなので世間に疎くて、その、えっ? pic.twitter.com/vII21bwHzH— たつき/irodori(けものフレンズ) (@irodori7) 2017年2月7日
ここは「美味しんぼ」の京極さんよろしく、「なんちゅうもんを生み出してくれたんや」とお礼を述べ……るよりも、素直に「すごーい!素敵なアニメを作るフレンズなんだね!えらーい!」と絶賛したい。
from けものフレンズプロジェクト|公式サイト
2 Comments
あわてて第1話~4話まで一気に視聴。想像以上のスッカラカン具合だが、明らかに3話から毛色が少し変わってきて、4話で大きく飛躍しておるな。
これ、手抜きなのではなくて、予算とかの問題で大きくリソースが割けない中で、精一杯、やれるだけのことをやった結果だというのが大きい気がする。
元のキャラクターデザインみたいなのを再現できればいいのだけどそこまではできない、もっとウケるシーンみたいなのができればいいけどできない、その中でできることは何か?みたいなところで、要するに、捨ててない。
なんか最初の頃の手探り状態のRWBYみたいな感じ。
表現したいものがきっちりあって、でもそこまでのリソースがなくて、だからといって「コレはもうダメだ」ということで捨てていない感じ。
じーっと見ているとやれることは全部やってるというか、全部やるしかないので、全部やっている。
制限の中でできる限界までやってるというのがわかる。
動物の解説にしろ、予告の作り方にしろ、絵的には最小限のリソースだけど、でもできることは何か、こういう工夫ができるのではないか、みたいなのがきっちりしてる。
もしリソースがもっとあれば、もっといろいろな工夫をする余地がいっぱいあって、もっとキレイにすることもできるし、あれこれできるというのもわかる。
なので誤解を恐れずに言うなら、なんだろうな、絵的には「リソースがないからこのレベルで妥協しました」というのと「限界までやりましたがマジココが限界です」というのと、同じはずなのだけど、同じじゃないというのが伝わる。
そのせいで妙に媚びを売ったり、受けようとしたり、「お前らこういうのが好きなんだろう?」みたいな過剰サービスは一切ない、ないというか、そもそもそんな余裕がないので、どこにも入れられない。
書いていて気づいたが、おそらくリソースが足りないせいで、結果的に少人数になり、それが普通であれば集団作業によって薄まるはずの個々の作家性を、奇しくも、偶然にも、にじみ出させることになっていて、それがいわゆる妙な「味」になっているように感じられる。
表現できるものに限界があるからこそ、では何を選ぶのか?というところで、基本的な部分だけは全部押さえようとしているのが見ていて伝わる。
ストーリーラインはきっちりしていて、RPGのお使いゲームさながらで、「課題→クリア」というのがはっきりしており、なおかつ「謎」もちゃんと毎回提示し、回収できるものは回収している。
「追跡」の要素も入っているし、なんだかんだ言いながらものすごく着実に前に進み続けている。
過剰な説明台詞や「説明ではなく絵だけで伝える」ことができているわけではないが、可能な限り絵で伝えようとしている。
描けない部分については「きっとそうなのだろう」というのがわかるギリギリのところで止めているし、放りっぱなしにしない。
お約束みたいなのを使いはするが、過剰なまでにお約束を入れまくるわけではない。
音の演出もきっちりしている。やろうと思えばもっとやれるのだが、そもそもできないので、できそうなところは全部やってる。
「ここはやる」「ここはできない」、そういうメリハリがやたらはっきりしている。
「もっとやりたいができないので、最小限で済ませるにはどうすべきか?」という発想を感じる。
「もっとやりたいができないので、やめよう」ではなく「最小限で済ませるにはどうすべきか?」という工夫があちこちに見える。
カメラワークもできるだけあちこち変えつつ、状況がわかるようにしている。このクオリティならもっと紙芝居みたいにしてもいいはずなのに、そうはしない。
起承転結みたいなストーリーにしなくても怒られないだろうに、ほぼきっちり起承転結で作ってる。引きもある。
3話で少し変えて、4話で大きく進めたように、単調かつ同じ事の繰り返しにならないように、かなり緩急のリズムにも気をつけている。
これよりいい作品はもっといっぱいあるが、ここまで極端に限定されたリソースを駆使しようと試みている作品がありそうでなかなかないので、目立つ。
なんかこれ、監督が異様なほど頑張ってスタッフを支えているのでは?という気がしてならない。
腐ってもおかしくないのに、腐ってない。
要するに、普通のアニメーションに過ぎないのだが、普通のアニメーションってのが昨今はほとんどなくなってるので、逆に目立つし、普遍的で基本的なところはきっちり押さえてあるのに加え、シンプル化せざるを得ないので、視聴者に伝わりやすいのだろう。
ほかの作品だとそもそもポテンシャルが大きくて、めいっぱいやり尽くせば「100」までいけるはずなのだが、そもそも有名原作とかだとそこまでがんばる必要性がないので、サクッとやるだけで「70」ぐらいまでできてしまう。70%だな。
一方、この作品はそもそも割けるリソースが「10」しかないので、限界までやっても「10」にしかならない。しかし、それは「10/10」なので、実は100%だ。
幼稚園の子供の絵が技術的につたなくても、「こういうのが描きたい!」という、己の限界まで描くせいで、妙な迫力を持つことがあるのと同じ。
上手か下手かで言えば、下手だ。しかし、スキルが足りなくて下手なのではなく、リソースが足りないからそう見えているだけ。
妙に取り繕おうとしてもできない分だけ、できるところに全部割り振ってるイメージ。
思わせぶりなEDとかを見ると、明らかに「意識が高い」のがわかる。本編とリンクさせてる。当たり前のことだが、そういう当たり前のこと、「OPもEDも世界観を伝えるためにある」という基本は忠実に押さえてる。
やろうと思えば、かわいいキャラを適当に置くとか、止め絵でソレっぽい媚びポーズで回すとか、逆に何でもやれたはずなのに、そういうことを選ばなかった。
それでいくと、制約がありまくりなのだけれども、逆にそういう表現上の制約はなく、だからこそ工夫する余地が多々あるのをきっちりやってるイメージ。だから「作家性」「個性」みたいなのがあちこちに顔を出す。
言い方は悪いが、低予算映画の作り方と同じというか、見本そのもの。あちこち拙いし破綻しているが、それは予算の制約があるからであって、でもその中でできることをやってる。
結果、ずーっと物語は展開し続けるし、ずーっと何かが常に起きてる。
台詞とか音楽とか効果音とか間の取り方のせいで、「ゆったり」に見えるが、実際には怒濤の勢いで話が前に進み続けてる。特に4話、それまでの基本を全部破ってる。
非常にベーシックなストーリー展開だが、逆にここまで王道の展開が最近はなかなか見当たらないわけで。
もっと過剰な演出をしたり、わざとらしいことをしたり、いろいろやりまくるわけだ。
が、この作品にそんな余裕はない。だから「選択と集中」するしかなく、その結果が見ての通りで、基本をきっちり押さえることに成功してる。
逆に言うと、基本をきっちり押さえているようで押さえていない作品が実は多い、あるいは基本を押さえていることが分からない、視聴者に伝わらない、伝わりにくい作品が多くなっているのだろう。というか、多い。
結論:めちゃくちゃ面白い大傑作ではないが、捨てていないしあきらめていないからこそシンプル化しており、余計なものがないので表現したいものだけがきっちり見た人に伝わって、見た人は受け取ったものを十分にきっちり消化できるので、結果的にきちんと伝わってしまっている。
私がこの作品を初めて見たのはTwitterで騒がれるようになってから少しした後、丁度5話が放送されたあたりでした。
TL内で「すごーい!」とか「あなたは○○なフレンズなんだね!」という言葉が飛び交っていた為、とりあえずアニメ1話を見ようとニコニコを開いたのですが……正直1回目は最初の15分で見るに堪えず動画プレイヤーを止めてしまいました。
翌日、とりあえず好きなリアル動物のカワウソが出てくるまでは粘ろうと一念発起し、もう一度最初から視聴を開始しました。
1話を視聴完了し、2話を録画から引っ張り出してカワウソちゃんが出たのでそこでやめようと思ったのですが、続きが気になり結局3話、4話と視聴したらあら不思議。もう私は立派なフレンズとなっていたのです。
そこからは毎週水曜日になるのが楽しみすぎていつも以上に日付の進みが遅く感じられました。
特に11話終了後は次週への期待と不安で夜しか寝れない日が続き、ニコニコの1話を周回しはじめました。
そして12話放送日。開始5分で涙腺崩壊。リアルタイムで見られたので考察がはかどるはかどる。1話が全体の縮図というツイートを見た時は鳥肌が立ちました。まさかここまではまる事になるとは……。
ニコ生12話放送会ではエア1話に参加し、とても楽しかったです(コナミ)。
最後に。1話見て切ってまだ見てない人、ニコニコでいいから入園料払ってみよう。たのしーよ!