「恋想リレーション」感想―想像にお任せしよう―

受 験 失 敗
第一志望に落ちた。
大丈夫大丈夫。こんな時の為に滑り止めというものが……。
滑り止めにも落ちた。
目の前には不合格通知の山。
途方に暮れる中、とある人気校から地元推薦枠のお誘いが来る。
突如舞い降りたチャンス。
幸運で掴みとった名門校の合格通知。
その学園には俺好みの理想的な女の子がいて……。
美少女たちに囲まれて、俺のラッキーが止まらない!

「その想像(イマジネーション)、叶います。」

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以上、恋想リレーション、あらすじ。


一言で言えば主人公の妄想がことごとく叶うというストーリーっすね。

結論。
・唯華ルートがすっごく面白かった。
・唯華の一番最後のセリフを聞いたとき、あまりの感動でオレはヘッドホンを投げました。
・他のルートは普通!
・唯華を最後にやること推奨。
・ちなみに「唯華」は「いちか」って読みます。
・前作「運命線上のφ」と同じく、分岐は結構あって謎ENDも何個かありました。

体験版をプレイして気になるヒロインがいたら、本編もやってみる事を勧めます。



以下、感想。ネタバレ注意。

こうして、俺達はマグロの漁師として新しい人生を歩むことになった。

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 完。



以下、感想。ネタバレ注意。

嘘だとは思ってないよ。だって、そう信じた方がきっと楽しいし
 アリサ・ガーランド

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アリサのセリフで1番気に入ってるのがコレ。
楽しけりゃいいんすよ。
正しいことや正しくないこと。色々とあるけど、ね。
それらはどうして正しいと言えるのか?
結局判断するのは自分自身なんだよ。
だから、楽しくなる方を信じようぜ。

こんなにもドキドキする気持ち……友情じゃない
愛情……だと思う……
これが片思いなんだね……でも……
あたしは、片思いなんて嫌だよ。だから……
慎之助……あたしのこと、好きに、なりなさい……
 アリサ・ガーランド

なにこれ。すげぇ可愛いんだけど。
……ひねくれ者のオレとしては、片思いにも優れた点はあるんやで。と言いたくなる。
まあ、このようなジャンルのゲームやったり、思索にふけったりすることは片思いと同義だと思う。
哲学とかさ、科学も。
追い求める真理には多分到達し得ない。
一方通行の片思いで終わっちゃうんだよね。
むしろ片思いが哲学や科学の本質の様な気がしてくるんだけど……。
でも、両思いを目指さないなら片思いとは言えないよね。
恋は満たされると愛になる。
満たされない想い。
満たすことを望む想い。
それが片思いならば……。
片思いなんて嫌というアリサは良く分かる。
まあ、アリサの恋は実るんだけどな!!!
両側通行、二人で幸せに……。

アリサと出会ったのは、確かに、きっと偶然じゃないのかもしれない。
――色んな関係性が複雑にからみ合って、出会えた幸運(ひつぜん)。
でも、そこから俺たちを結びつけたのは。
友達になったときも、恋人になったときも。
自分の想いから、生まれた関係性だと思うんだ――
 桜坂慎之助

わぁい!
運命線上のφでオレが受け取った事と似たようなのが出てきてますね。
幸運(ひつぜん)じゃなくて運命と呼ばれてたものだけど。
意味は同じ。
運命をたたっ斬ることができたらさ、それはこれまでの関係性も変わるってことだよね。
運命線上のφでは主人公が剣を振るたびに運命が変わったなぁ。
なんてことを思い出した。

以上、アリサ・ガーランドでした。



由羽子「それってえっちなゲーム?」
慎之助「もちろん」
由羽子「お兄ちゃんも好きだね。あ、飲み物はここに置いとくね」

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こんな従妹が欲しいです。

どうせ由羽子は色気がありませんよーだ
 桜坂由羽子

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こんな従妹が欲しいです。

でもたまには従妹のことも構って欲しいの!
 桜坂由羽子

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こんな従妹が欲しいです。

以上、桜坂由羽子(さくらざか ゆうこ)でした。



そ、そういうあからさまなのは、結婚してからじゃないとダメ
 御厨陽葵

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慎之助にとって理想の女の子、御厨陽葵(みくりや ひまり)
発音は「ひ↓ま↑り↓」
献身的で、優しくて、ね。
可愛いんだけどね……。
可愛いだけなんだよね……。
恋想リレーションのティザームービーにさ、陽葵の特徴として「可愛い」ってのがあったんだよね。
オレは思ったんだよ。

そもそも可愛くない二次元ヒロインなんていねーし、いらねーよ、って。

可愛い、あるいはそれに類する形容詞はヒロインには標準装備なんだよ。
ヒロインはおしなべて可愛い。
全てが可愛いなら、「可愛い」という属性は無意味。
……と、ティザームービーの段階で「ハハッ、コイツ(陽葵)は大したことねーな」と確信してました。
それが当たったかどうかは半々っす。

あえて公式で「可愛い」と宣伝してた理由はわかりました。
プレイ終了後にわかりました。
でも、公式の定義はあくまでも公式の定義なんすよ。
オレの定義じゃないんすよ。
オレの定義だとどうなるのか?
そりゃあ可愛いですよ。
さっきも言ったけど、可愛くないヒロインが出てるならそもそも萌えゲーを買わない。
けど……。

可愛いの中に在りて、それでいてなお可愛いと定義出来るもの……。
それこそが真のヒロイン……。

陽葵にはそこまでの可愛さを見出すことが出来なかった。
オレは陽葵を可愛いと定義出来なかった。
誰が悪い?
オレが悪い。

陽葵ファンの人もいるだろう。
でも、オレは言う……。
言わなくてはならない。
断腸の思いで!
可愛いさの宝石箱の中にいて、それでも輝き続けるあのヒロイン達を想って……。


陽葵は可愛くない!!


なんだか何言ってるかわからなくなったのでまとめ。
・ヒロインを可愛いかどうかを決めるのはプレイヤー本人(この場合はオレ)
・可愛くないヒロインはいない。(あくまでも一般的な視点での話)
・全てのヒロインが可愛いなら、可愛いという言葉の意味がなくなる
・それ故に、可愛いヒロインがと可愛くないヒロインがいる(いなくてはならない)
・よって陽葵は可愛くない

・全てのヒロインが可愛いなら、可愛いという言葉の意味がなくなる
↑この部分は、「可愛いヒロインがいる。もっと可愛いヒロインがいる。ってことにはならないの」って言われそうだな。
たしかにそうなんだけどさ。
可愛さについての議論はまた今度にしよう。
長くなりそうだからな。

以上、御厨陽葵でした。



とまぁ。とりあえず三人の感想はここまで。
これから、1番魅力的だと思ったヒロイン、
千石唯華(せんごく いちか)について語っていこう。

慎之助「なあ唯華、今日は暇だったりしないか?」
唯華「暇であるということは、時間的に無駄な空白を作ってしまうということだ」
唯華「そんな事が起きないように日ごろから注意を払っている」

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唯華は時間を無駄にしない。
めちゃくちゃクール。
友達をあまり作ろうとせずにいて。
言い寄ってくる男どもは毒舌で追い払って。
英語の論文集を読んでいて。
声が低くて。
すんげぇクール。

時間とは限られているものだから、どんなに短くても密度濃く生きたい
 千石唯華

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でもそれは無欲的ではなくて、楽しもうとする意志がある故のもの。
すげぇ合理的。というか功利的か?
クール。だけどホット。
常に全力。
かっけぇ。

慎之助「その気があるなら、桜坂慎之助と恋しちゃってもいいんだぞ?
唯華「ああ、それだけは絶対にない」

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ふえぇ。
ここまでバサッと言われると……、
後々のデレは一体どんなものなんだと期待しちゃいますねぇ(ゲス顔)

そんな中、明かされる真実。
唯華は慎之助の幼い頃の友達だった……。
昔の唯華は男の子みたいな格好してたので、再会した時に気が付かなかった。
まあ、唯華はすぐ気づいたけど敢えて言わなかった。
というのも

ぼくにとってきみは親友だ
きみに対して抱いている気持ちは、一方的かもしれないが揺るぎないものだ
大切なのはぼくの気持ち、きみの親友であるというこの気持ち
だから、きみがぼくを忘れていてもなんとも思わない
 千石唯華

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格好良いなぁ。
唯華は慎之助を想っている。
でも、それは「友情」として。

さらに明かされる真実。

どうして、学力的にはまったく届かない名門校から推薦の声が掛かったのか。
どうして、学園は主人公の理想そのものだったのか……。

すべて唯華のおかげだった。
大きな権力を持っている唯華の祖父が進めていた学園誘致計画。
祖父の死後、唯華がそれを引き継ぎ、慎之助の理想の学園として作り上げた。
学力的には非常にアレだった慎之助もなんとか面接で合格させることに成功。

どうして、唯華はそんなことをしたのか?

きみに充実した毎日を送らせるのが、友達としての役目だから
 千石唯華(陽葵ルート)

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そうだよな! 友人だから当然だよな!!!

部屋に慎之助の写真やポスターを飾りまくるのも親友として当然だよな!!!



全てを投げ打ち、相手のために尽くしても……惜しくないと思える相手のことだ……
 千石唯華、友達について





理想の学園を作り上げ、そして、理想の女の子として御厨陽葵を学園に入学させた。
(言及されているわけじゃないが、陽葵も学園から声が掛かったと言っていることと、唯華が陽葵と慎之助をくっつけようとしていたことからそう判断した。)

女の子についてアドバイスをくれる親友キャラはよくあるけど、学園作って女の子調達してきたヤツは初めて見たなぁ。

ここまで来て、陽葵のキャラ説明に「可愛い」って書いてあったのがなんとなく理解できた。
前で言ったけど陽葵は慎之助の理想の女の子そのものだったから。

その想像(イマジネーション)、叶います。
 恋想リレーション、キャッチコピー

Webラジオ ランプオブシュガー放送部にて流れてたCMで唯華がこのキャッチコピーを言うんだよね。
「叶います」か……。
「叶えます」じゃなくて……。
あたかも叶えることが当然と感じさせるようなニュアンスだな。

メチャクチャにHappy
空想僕の描いた未来見せたい
もっと先まで…
きっと願いはいつか叶うから
諦めたらおしまいだから!
夢の先をキミに届けたい
 恋想リレーション、OP

歌詞に「僕」ってあったから、「おっこれは唯華の心を表した曲なのか?」と思いつつ、めちゃくちゃポップな曲なので「唯華ってこんなキャラじゃないよな……」とも思っていた。
だけど、唯華ルートをプレイするうちに「唯華はこんな一面もあるよなぁ」なんて考えるようになった。
遊ぶことにも全力なんだよね。
本気になって靴で天気占いしたりさ。

この歌詞には「ボク」と「僕」があって、そして唯華の一人称は「ぼく」なんだよな。
ここんところどうなんだろうね?

でもまあ、プレイ終了後にOP見たら、なんか、ちょっと悲しいというわけじゃないけど、なんとも言えない気分になった。



いやぁ、それにしてもすんげぇな。
なんだこのヒロイン。
そしてさらに驚くべきはここまでの感情を「友情」って言い張ることだと思う。

でも、それは違うって分かる。

親友という言葉に振り回されて、友情と了解してしまっただけなんだ。
唯華も、慎之助も、ね。

唯華「もし、この感情を表すために……もっと適切な表現があって……それが『愛情』なのだとしたら……」
慎之助「だとしたら?」
唯華「ぼくは……きみが……好きだ……」

…………
……
オレは死んだ。
願わくば、告白シーンを全文引用したいし、つーかみんなの前で映し出したいけど、ね。
諸般の事情により、一部分だけ。
いやぁ。ホントにこのシーンは良かった。
個人的告白シーンベスト5には絶対入るよ。

そしてこっから恋人になっていくわけだけど、
まあ、ほんとに、ね。
「それだけは絶対にない」と言っていた慎之助との恋なんだけど……。

きみと恋人でなくなるなんて、死ぬのと同義だ……
 千石唯華

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すっげぇ可愛いいんじゃあああああ。
そうだよ! オレが求めてた可愛さはコレだよ。

クールで、正直で、全力で。
勉強するのも、遊ぶのも、ね。
慎之助のこと大好きで、ね。
だけどデレデレというわけじゃなくて、唯華らしい好意表現で、ね。

ああ、そうさ。

だからこそ言おう。
可愛いさの宝石箱の中にいて、それでも輝き続ける千石唯華を想って……。

唯華は可愛い!!!!

でも、物語はここで終わらない。
ここで終わってたら唯華は個人的ヒロインランキングTOP10入り確実! 程度だった。
だが、唯華はヒロインランキング1位を狙える存在。
だからまだ終わらない。
ラーメン食いに行ったら〆にラーメン出てきたみたいな感じだけど、まだ続く。

唯華は慎之助の事が好き。
ナンセンスな話だけど、好きという感情を定量化してみたら相当なものになるだろう。
それこそ、オレが攻略してきたヒロインの誰よりも……。
(アレ? ホントにそうか?)
まあ良い。
ともかく大好きなんだ。
唯華は友達について、
”全てを投げ打ち、相手のために尽くしても……惜しくないと思える相手のことだ……”
と語っていたが、それは恋人についても同じことが言える。
慎之助に尽くす。
ただそれだけ。
唯華自身の心はどうなんだよ!?

これって、さ。
片思いと同じじゃないのかな。
慎之助第一に考えて、
見返りを求めなくて。
それって、一方通行じゃないのかな。
対等な関係とは言えないんじゃないのかな。
満たされた関係、アリサルートでのアリサはこう言っている。

相手のことを気遣う気持ちは大切だよ? 相手の幸せを思うことは大切だよ?
でも、恋愛で1番大切なのはそういうことじゃないと思う
大切なのは自分の気持ち
想いが通じ合っているなら、相手も自然にそれに応えてくれる
 アリサ・ガーランド

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まさしくそうなんだよ。
唯華のそれは、本当の意味での愛情じゃないんだよ。
それは、言ってしまえば満たされただけの片思い。
愛ではない。

だから、唯華と慎之助の間にズレが生じる。
根本的な、ね。

二人はそれに気がつかなかった。

でも、最後、やっと気がついた。

そして、唯華が慎之助の為に、そして自分の為に慎之助を好きになることを誓った時。
オレは死んだ。
はいはい。またヒカルが死んだんだね。はいはい定期定期。
違うんだよ。
たしかにさ、オレは何回も萌え死んできたけど、今回はコレまでとはワケが違うんだ。

いや、マジで。
ホントにヤバイ。
ガチで。

ラストシーン。
唯華が、慎之助に向かって言った言葉。



……





オレはヘッドホンを投げた。
涙目だった。

最高だ……。
言いようのない幸福感に包まれた。

だから、あえて語らない。
唯華の最後のセリフも。
その時のオレの気持ちも。

ここで、これまでどおりセリフを引用することも出来る。
出来るんだけど、しない。
いや、できない。
することが、できない。
Don’tではなくCan’t

何故か?

そもそも萌えゲーの感想なんてあり得ないと思う。
作品に触れた時の感情なんて自分自身にしか知り得ないし、無理に言語化してもチープなものになる。
そしてそれは、言語化されたそれは本質ではない。
カッコ良く言うならば、言語的隠蔽。
キャラクターへの愛の真髄は文字で言い表せないところにあるんだよね。
だから、オレは語らない。
最後の最後のあのセリフと、「千石唯華」については。

だから感想はここまで。
感じ、想ったことはここまで。

オレが「ヒロイン体験」と呼んでいるソレの話はできないから。



……と、何やら分かったような分からなかったような感想でした。
まとめると、
・思い込みを正して、素直なヒロインはイイね!
・唯華は可愛いヒロイン!!!
以上。


最後に、システム面についてちょっとだけ。
Magical Charming!のクロノカードや運命線上のφの抜刀など、ランプオブシュガー恒例となった? 謎システムっすけど、今回は本当に謎でした。
妄想検索エンジンDoosle
プレイ中に赤く表示される単語を選択すると、記憶される。
その記憶された単語によって選択肢が変わる……。
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それは別にいいんですけど、単語登録枠が三つしかないので、全シナリオ回収が非常に面倒くさい。
スキップ速度さえ速かったら時間短縮ができるんだけど……。
次回作ではスキップ速度を何とかして欲しいですね。


おわり。


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